【開催報告】YILインダストリーランプセッション「半導体製造装置・プロセスのイノベーションと企業・人材-洗浄装置をめぐって-」
2026年5月27日(水)、慶應義塾大学矢上イノベ-ションラボラトリー(YIL)において、株式会社SCREENセミコンダクターソリューションズとYILの主催により「半導体製造装置・プロセスのイノベーションと企業・人材-洗浄装置をめぐって-」を開催しました。このインダストリーランプセッションは、企業のビジョン、事業や研究開発、活躍する人材といった大学では知る機会が少ない企業像を企業から慶應義塾大学の学生や教職員に発信し、産学が交流する企画で、今回がYILとしては最初のセッションでした。
本セッションでは現在注目を集めている半導体の製造プロセス、特に洗浄プロセスや洗浄装置の技術動向に加え、企業における人材の活躍やキャリア形成について、三河巧執行役員をはじめとするSCREENセミコンダクターソリューションズの皆様と慶應義塾大学の学生・教職員35名で活発な意見交換が行われました。

セッションは三河執行役員と石黒仁揮電気情報工学科教授の挨拶からはじまり、「半導体製造プロセスを知る」では、半導体の配線回路を設計する工程から、その回路を半導体ウエハ上に形成する前工程、さらにチップを切り出して組み立てる後工程まで、半導体製造の全体像が紹介されました。その中で、洗浄は前工程の約3割を占める重要な工程であることや、直径300 mmのウエハ上で欠陥となる15 nmの異物は、東京-大阪間400 kmを直径とする円に置き換えると1円玉程度の大きさに相当することが説明され、極めて微小な異物を除去することにより製品の歩留まりを100%に近づけようとする洗浄技術の重要性が説明されました。また、SCREENセミコンダクターソリューションズでは、洗浄装置をバッチ式から枚葉式へ進化させることで、1時間当たり1200枚を高性能に洗浄処理することを可能としたことなどが紹介されました。続いて半導体トランジスタの微細化に伴い表面起因の課題が増加してきたことや、洗浄用途ごとに使用薬液や濃度、処理時間が最適化されてきた経緯が説明されました。さらに、半導体回路パターンアスペクト比が高まる中で、乾燥時のパターン倒壊を防ぐIPA乾燥の優位性や、分子動力学シミュレーションを活用した事例も紹介されました。また、今後のさらなる微細化、三次元積層化、新材料への対応に向けた技術課題も紹介されました。

セッション後半では中長期的に成長が続く半導体と半導体製造装置市場の中でのSCREENセミコンダクターソリューションズの位置づけ、製品の歴史、国内外の拠点、サステナブル社会に向けた取組といった企業紹介の後、ベルギーの研究機関imec(Interuniversity Microelectronics Centre)に駐在する慶應OBの白鳥氏がオンラインで参加し、半導体業界にかかわった経緯、imecで従事しているリソグラフィー技術開発、国際的で経歴・専門も多様な研究開発チーム、海外で感じる日本との考え方の違い、性別に関係なく生き生きと働く環境、海外で働くことも含め自分で動くことの重要性などが説明されました。最後に、若手参加メンバーも加えた座談会では、参加している学生からの質問に基づき熱心な議論が行われ、SCREENセミコンダクターソリューションズの皆様からは、仕事でのブレークスルーは大変だが実現した瞬間は達成感がある、装置の設計・制作に参加する多分野の技術者間におけるコミュニケーションが重要、国籍も異なる国内外のチームメンバーとすり合わせて成果を出していくのは難しいがやりがいを感じる、新たな分野に取り組む際に論文等で知識を蓄えることがしんどいが楽しかった、発想力を鍛えるには多くの人と会いアイデアや経験、技術を共有し、進化することや俯瞰して考える時間をとることが重要、SCREENセミコンダクターソリューションズの強みは世界中のお客様からの要望に応じ多様な装置を提供できる高い技術力、などのコメントが寄せられました。


YILのLive Hubでのセッションの後はEat and Learnで交流会が開催され、SCREENセミコンダクターソリューションズの皆様と慶應義塾大学の学生・教職員の間でさらに議論を深める時間となりました。
